山のお仕事ってこんな感じ!!
こんにちわ。山口です。
今日は、僕の仕事 「林業」 について少し説明したいなと思います。
第一次産業で、最も有名なのは多分農業だと思います。
その次が漁業で、最もなにそれ?って仕事が林業だと思います。
実際、「林業って何するの?」って質問はとても多くて、8割ぐらいの確率で聞かれます。
それくらい林業の知名度は低い(都市圏になら特に)ので、主にどういった事を仕事にしているか説明したいと思います!
林業とは
大まかに説明すると、
- 山を育てる
- 山をきれいにする
- 伐採して出荷、販売する
この3つになります。
その中で、最も有名なのはきっと伐採になると思います。
伐採とは、チェーンソーや機械で木を切る事なんですが、そのイメージが強すぎて他の仕事は結構知られていません。
有名と重要は似て非なるもので、最も重要といえる作業は一番最初の
山を育てる
という作業だと(私は)思います。
造林 山を育てる
この造林という作業には大きく分けて2つの作業があります。
1.植栽
2.下刈り
他にも地拵え(じごしらえ)と言って、植林前の山を掃除する作業があります(結構大変!)が、植栽前の作業なので、合わせて説明します。
1.植栽
別名植え付けとも言いますが、木を全部切った山、はげ山になっているところで皆伐地(かいばつち)といいますが、そこに苗木を植えます。
ボランティアや学校の授業で植えたことがある人もいるかと思います。それが植栽といいます。
基本的に冬や春行う作業で、一定の間隔ごとに木を植えていきます。
穴を掘って、苗木を植えて踏みつけて活着(かっちゃく)させていきます。
この作業が甘いと、せっかく買って植えた苗木が枯れてしまします。
そのあと植えなおしになることがあるので、苗木代+人工代で不必要なコストがかかるので、しっかり丁寧に植えていきます!
2.下刈り
この作業が正直一番大切であり、一番の苦しみでもあります。
作業時期は夏場で、さらに植栽後の山なので日陰がありません。まったくありません。直射日光ガンガンで30度越えの中、安全作業用に長袖を着て、蜂に怯えながら作業します。水が足りないので、腰袋(作業道具を入れるバッグ)に2ℓペットボトルをさして作業します。(足りない…)
更に凶暴な蜂対策でハチノックという強力殺虫スプレーを支給されますが、
気づく前に刺されます
去年は、芝バチに5回 アシナガバチに2回、そしてスズメバチに顔面を刺されました。
私は基本的に腫れないので、耐性強いな~と思っていたらなんと
先生に腫れないほうが耐性無しと宣告されました。来年死んだとしたら確実にアナフィラキシーショックです…気を付けます…
話がそれましたが、この作業は下刈り機(草刈り機の手持ち!田んぼ払ってるやつ。)で作業します。地道な作業なので結構しんどいですがどんどん早くなっていくので成長を実感できて結構自分は好きです!夏やらないなら休憩しないで5時間くらいできると思います!嘘です!無理です!
ボランティアや学校行事で植栽をした人!その後は誰かが育ててくれています!安心してください!苦しんでいる可能性もあります!
林産 木を切る
木を切る作業ですが、大きく分けて間伐と皆伐に分かれます。
そして間伐にも除伐という種類があるので分けて説明したいと思います。
除伐
除伐は基本的に、植え付けてから15年以内の木を対象にしています。
ある一定の間隔で植えた木は、成長の良し悪しが出てきます。
木を大きくまっすぐ伸ばすために、悪い木や一定の間隔以上に混んでいる木を切り捨てていきます。これを除伐といいます。
実際10年もすれば、木は大きくなり、山は暗くなっていきます。
ですが、この除伐や間伐を行うと、山は明るくなり下の植生に大きな影響を与えていきます。そして明るくなった山で日の光をどんどん得ようと、上へ上へと木は伸び太くなります。
間伐
間伐は16年生から50年生を対象に、材として出荷目的で伐採していきます。(いまはこれを行っています)
この作業がよくテレビで取り上げられている林業という仕事です。
これも上記の役目を果たします。山を明るくして、さらに太くしていく作業ですが、ここで機械が登場してきます。高性能林業機械といわれるものですが、徐々に説明出来たらなと考えています!
伐倒は大きな危険を伴う作業で、年間必ずと言っていいほど死者、重傷者を出します。
伐り始めてから間もない自分ですら、何度も事故の危険がありました。
切った材が、他の材に当たり縦に回転しながら飛んできて、左手に持っていたチェーンソーが弾き飛ばされたこともあります。十分に意識していても危険は襲ってきます。
ですが、動画の様に(1/4人前の伐倒だけど…)気持ちよく倒れた時はとても爽快です。徐々に成長が感じられるので、作業していて楽しいですが、本当に危険です…
この木はヒノキでおそらく40年生位だと思います。
これを機械に乗せて山のふもとまで下ろしトラックが集材して市場迄持っていきます。
この一連の作業を除伐 間伐といいます。
伐採後 市場でセリ
自分たちが切った材は、市場へと運搬されます。
そのあと月に2回ほどあるセリで製材所が購入していきます。
また、最近では直接製材所へ運ぶこともあるようで、仲卸を挟まずに円滑な仕入れを行う業者も多いようです。(ここでも仲卸は存在した…)
製材した材は、住宅の建材に使われます。ただ、今は外国材(外材)が多く国内需給は30%ほどしかありません。輸入して輸送費等コストが莫大にかかるのに外材のほうが安いというイメージがあるようです。国産材でも価格は国際基準ほどだそうで、一概に国産材が高いという事はないと思うんですが…一般的に高級品というイメージのヒノキなんかは価格が大きく下がっており、スギと同じくらいの価格帯で提供できるはずなんですけどね!
ちょっと調べてみます!(ハウスメーカーの情報操作だったりして!笑)
話がまたそれましたが、こうして育てて伐った材は上流から下流へと流れていきます。
自分が生産という立場に回らなければ見えなかったことだらけです。
林業をして感じたこと
山にはいろいろな役割があります。
地盤を守る、水を蓄える、二酸化炭素を吸う…ほかにもたくさんあります。
世間ではスギ花粉が問題になり、早急な伐採を!という方もいます。
戦後植林を進め、荒廃した山が今大きく育っています。
スギやヒノキ、マツ多種多様の木がずっと昔から植えられてきました。
一度手を加えた山は、ずっとお世話をしなければいけません。
そして、木にも命があります。その命を切って家や家具となって生活を支えてくれます。命に感謝を、そして山に感謝をして手入れをしていかなければならないと思います。
色々な問題を抱えている業界、植林地ですが、それがどう世間に役立っているか、ちゃんと勉強してお伝え出来たらなと思います!
ざっくりと説明でしたが、こんな感じです!
とにかく伝えたいのは、山は大切な存在という事と
夏場の下刈りは地獄
ということです!
それではまた!